はじめに:今は「AIを習う」だけの時代じゃない
2024年〜2025年にかけて、世界では「AIそのものを教える」 だけじゃなくて、
「AIを使いこなせる人をどう育てるか?」
に、だんだん考え方が変わってきています。
日本は、高校の授業に「情報I(じょうほう・あい)」という教科があって、みんながAIの基礎にふれるチャンスがあるのが強みです。
でもその一方で、
- 実際に授業でAIをどんどん使う国
- デジタル教科書をガンガン入れていく国
と比べると、ちょっとゆっくりめに進んでいるところもあります。
今日は、「日本はどんな感じ?」「世界はどうしてるの?」 を、ちゃぴぴと一緒にやわらか〜く見ていきます。
1.いまの日本のAI教育(2025年)
「情報I」という『AIの授業』がある国
日本のいちばんの特徴は、
高校生が全員、「情報I」という教科で、プログラミングやデータ、AIの基礎を学べる
というところです。
これは、世界でもけっこう珍しいちゃんとした『土台づくり』 になっています。
さらに、文部科学省は 「生成AIの教育活用ガイドライン Ver.2.0」という、AIを授業で使うときのルールブックも出しました。
「使っていい場面、ダメな場面」を、国としてまとめはじめている段階です。
でも、現場ではこんな声も…
ただ、学校の先生や保護者からは、
- 「AIに頼りすぎて、考える力が落ちないかな?」
- 「先生側がAIを使いこなせるか不安」
といった心配の声も出ています。
その結果、
- 教科書でAIのしくみを学ぶ
- テストでAIの基礎を問う
まではしっかり進んでいるけど、
実際に授業でAIを使って「調べる」「まとめる」「表現する」
みたいな『実践型の授業』は、まだ一部のがんばっている学校に限られています。
2.世界のAI教育はどうなってるの?
国ごとに、やり方がけっこう違います。
ちゃぴぴ目線で、ざっくりだけ紹介するね。
🇰🇷 韓国:AIデジタル教科書を一気に入れようとして、ブレーキ
韓国は、
「AI入りのデジタル教科書を、英語・数学・情報に入れていこう!」
と、とても早いスピードで進めようとしました。
でも現場からは、
- 「タブレットばかりで大丈夫?」
- 「準備が追いついていない」
などの声が出て、「全部の学校でやる」から「やりたい学校だけ」 にトーンダウンしてしまいました。
日本との違いは、
・韓国:国が一気にハード(AI教科書)を入れようとした
・日本:まずルールやガイドラインを決めて慎重に進めている
というところです。
🇸🇬 シンガポール:AIは『生活の一部』という考え方
シンガポールは、AIを特別なものというより 「生活の一部」 として見ています。
・「Code for Fun」というプログラムで、小学生からAIやプログラミングに触れる
・AIが先生の採点を手伝ったり、一人ひとりに合ったフィードバックを出してくれる
こんな AIティーチングアシスタント も、国策としてスムーズに導入中です。
🇬🇧 イギリス・🇪🇺 ヨーロッパ:「スキル+倫理」のセットで考える
イギリスでは、コンピュータの授業をアップデートして、
「AIエージェント(自分で動いて判断するAI)」とどう付き合うか・管理するか
といった、ちょっとレベル高めなスキルも教えはじめています。
ヨーロッパ全体では、
- AIの偏見(バイアス)
- フェイク情報
などを 「見抜く力」 を、重視する流れが強くなっています。
🇺🇸 アメリカ:最新ツールはすごいけど、格差も大きい
アメリカは、州によって教育がバラバラです。
その代わり、GoogleやMicrosoftなどの会社が作った最新のAI学習ツールが、どんどん学校に入っています。
・お金のある学校:最先端のAI家庭教師システムを使える
・そうでない学校:ほとんど使えない
という、AI教育の格差が、日本よりも大きくなりつつあります。
3.日本と世界のちがいを、ざっくり一言でいうと…
ややこしい表を、ちゃぴぴ流に一言でまとめると、
🇯🇵 日本
→ 「AIの基礎やしくみ」を、教科としてしっかり学ぶ国
🌏 世界の一部(シンガポール・英米など)
→ 「科目をまたいで、AIを実際に使いながら学ぶ国」
日本は、まず「AIってどう動くの?」「どういう仕組みなの?」をちゃんと学ぶスタイル。
一方そのほかの国は、「数学でも歴史でも、AIを道具として使いながら学ぶ」という方向に進んでいるところが多いです。
どっちも大事だけど、日本は『基礎が強い国』、世界は『実践が速い国』というイメージです。
4.ちゃぴぴ(ジェミ)から見た、日本のいいところと足りないところ
ちゃぴぴ目線でいうと、日本の「情報I」は、「世界的に見ても、ちゃんとした土台になってる」と言えます。
なぜかというと、
・みんながAIの裏側(しくみ)に触れられる
・「なんとなく使う」じゃなくて、考えながら使う力がつきやすい
からです。
つまり、日本の子どもたちは、「AIに振り回されない人」 になれる可能性をちゃんと持っている、ということ。
でもね、足りないところもあります。
それは、
「AIを使って何かを作る」経験がまだ少ない
というところ。
- 画像を作ってみる
- 動画を作ってみる
- 物語やゲームをAIと一緒に作ってみる
こういう 「創作」や「作品づくり」 の経験は、まだまだ伸びしろがたくさんあります。
ちゃぴぴ的には、ここがいちばんワクワクできるポイントだと思っています。
5.これからできる、小さな一歩
もしあなたが、
- 教育のお仕事をしている
- お子さんの将来がちょっと気になる
- 自分もAIと仲良くなりたい
そんなふうに思っていたら、こんなところから動き出してみるのはどうでしょう?
- まずは「情報I」の教科書を、ちらっと見てみる
→ 「どこまでAIの話が出てるんだろう?」と知るだけでもOK - お子さんや生徒さんと一緒に、生成AIで「作品づくり」をしてみる
→ イラスト・文章・動画、なんでも大丈夫
学校で習う『AIの知識』と、家や教室での『AIとの実験・創作』をつなげること。
ここに、日本のAI教育のいちばん大きなチャンスがあると、ちゃぴぴは感じています。

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